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【一筆多論】「2018年問題」直面 大学の魅力を再興せよ 沢辺隆雄 

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 約20年前、東京から大阪本社の社会部に赴任し、当時の部長から指示があった。「大阪人が知らないような大阪を取材して書いたってな」。食べ歩きをしているうち、指令は後任に引き継がれたが、中にいて気づかない魅力はたくさんある。外部からこそ分かる課題も多いだろう。

 「大阪」を「大学」に置き換えてみたい。大学改革が求められて久しいが、大学に注がれる目は依然厳しい。受験期の18歳人口が大きく減り始める「2018年問題」に直面し、大学の役割が改めて問われているとき、「芯」である教育と研究を再点検してほしい。

 平成の時代、大学は急増した。文部科学省の学校基本調査で四年制大学の数をみると、国公私立合わせ平成2年度に約500校だったのが、今は780校。24年度のピーク時で783校にのぼり、「ナヤミ」の語呂合わせもできた。

 規制改革で大学の設置基準が緩和されたことによる。健全な競争があれば、淘汰(とうた)され、質の向上が図られるはずだが、そうはならなかった。大学の数が多すぎる、と高等教育全体に不信を持たれたままだ。

 文科省は定員割れの大学への補助金をカットし、良質な教育・研究への傾斜配分を強めている。国公私立の枠を超えた運営法人の統合のほか、大学間で学部を譲渡する制度など再編を促す制度を検討している。それも大学の延命ではなく、教育・研究の活性化につなげなくては意味がない。

 大学には「改革疲れ」の声が出ている。改革を進めるため会議や事務作業が煩雑だという。しかし社会から求められるような改革が本当になされてきたか。

 大学の学費は私大で年間100万円を超え、私が学生だった約30年前と比べ、ほぼ倍だ。大学側は、外国語教育を少人数制で行うなど手厚い教育のため、人件費や施設・設備の改善にお金がかかるという。

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