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【正論】人権・核廃棄なしの板門店宣言 モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力

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 北の立場は従来と変わりない

 日本では注目されていないが、宣言では「非核化」記述の直後に「南と北は、北側が講じている主動的な措置が朝鮮半島非核化のために非常に意義があり重大な措置だという認識を共にし」という文が入っている。「北側が講じている主動的な措置」とは4月20日の労働党中央委員会総会で核とミサイルの実験中止、核実験場廃棄を決めたことを指す。ところが、同決定では実験中止の理由を「国家核武力がすでに完成した」からだとしている。核保有宣言なのだ。

 金委員長は4月22日に北朝鮮の言論機関と文学創作機関に「北朝鮮が堂々たる核保有国になったことを住民らに宣伝せよ」という指令を下している(韓国の通信社NEWSISのスクープ報道)。つまり、宣言に書かれた「朝鮮半島の非核化」とは、核保有国である米国と北朝鮮が対等な立場で核軍縮を行うということなのだ。これは従来の北朝鮮の主張で、何の変化もない。

 ソウルで北朝鮮自由週間開会式が持たれていた頃、ボルトン米国大統領補佐官が米国のテレビに出演して、「リビア型」の完全で検証可能、不可逆的な核ミサイル廃棄を改めて求めた。ボルトン補佐官を従えたトランプ大統領は簡単に譲歩しない。文大統領ができなかった「核ミサイル完全廃棄と全拉致被害者帰還」という約束を金委員長から取り付けられるのか。それができなければ、私たちは軍事緊張の高揚という重大な危機に直面する。(モラロジー研究所教授、麗澤大学教授・西岡力 にしおかつとむ)

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