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【正論】近代の理念や普遍知信仰は崩れた 不合理なものは変えていこう 筑波大学大学院教授・古田博司

財務省=東京・霞が関(宮崎瑞穂撮影)
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≪「歴史の必然」は間違いだった≫

 現代から見ると、近代という時代には実にヘンな「理念」を人々が信じていた。「歴史の必然」といい、あらすじを決める何者かが歴史のなかに潜んでいると、20世紀日本の代表的知識人、福田恆存までが信じていた。彼は「近代化という仕事は歴史の必然に従っておこっている」(『福田恆存対談・座談集』第二巻)と、語っていた。ところが近代化は東アジア諸国では必然にはならなかった。

 彼らが約束・分業・人権・法治などをすべてスルーしたことは、今日明白である。「歴史の必然」と言い出したのは19世紀のドイツの哲学者ヘーゲルだった。彼は発展途上国の近代化を行う人々に元気を与えたが、もう終わった。実際に歴史を作っているのは、使命感をもった歴史家や歴史学者などの人間である。

 「社会主義の優位」というのもヘンな「理念」である。社会主義経済国からはついに社会主義経済論は生まれなかった。使われたのは19世紀の人で、資本主義経済の研究書を書いたマルクスの経済学であった。「労働価値説」といい、価値を生むのは労働だけだとし、流通は無視された。ゆえに食糧は配給制で、人々が長蛇の列をなした。経済が悪くなると流通部門がつぶされ、運転手や店の売り子が山で採取経済をさせられた。

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