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【酒井孝太郎の視線】自死という「生きざま」の問い

西部邁(桐原正道撮影)
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 哲学者・社会思想家の須原一秀氏は平成17年の夏から秋にかけ、3人の友人に自死の決行を告げた。自分の決心が本物かどうかを確かめ、そのことを客観化するためだった。

 これまで人生の「極み」は幾度も味わった。自分の高(たか)も知った。老いや衰えが忍び寄る中、「穏やかな自然死」など神話にすぎず、むしろ長時間の耐え難い苦痛が終末期に待ち受けているのを想像できる。ならば、そろそろ自ら幕を引いてもいいのではないか-。

 須原氏は「新葉隠」と題した文書にも思いを刻み、「武士道」になぞらえて「老人道」を説いた。

 《人生を愛し、人生からの愛も素直に受け入れ、そして時折の人生の冷たさや厄介なわがままも耐え忍び、また時折は情熱的に与えてくれる人生からの愛に満喫し、やがてはそんな「愛の交歓」も永遠に続くわけではないことを悟り、間髪を入れずに死んでいく人間には(中略)逡巡(しゅんじゅん)も疑問もまったく関係ないのである》

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