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【正論】日報問題は法令と矛盾しないか 金沢工業大学 虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸

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【正論】
日報問題は法令と矛盾しないか 金沢工業大学 虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸

伊藤俊幸氏(酒巻俊介撮影) 伊藤俊幸氏(酒巻俊介撮影)

 ≪本来の業務超えた膨大な作業に≫

 その昔、各部署の担当者は手書きで文書を起案し、上司の決裁後は、文書管理を専門に扱う部署に渡せばよかった。その後は文書の専門官などが日本語タイプライターで「清書」し、配布・管理してくれた。

 ところが、ワープロが登場したことでこれが一変した。各部署の担当者は、起案から清書までする上、この法が制定されたことで、「行政文書ファイル」による管理も業務として付加された。その上、電子メールが登場したことで、メール上でのやり取りや、添付書類も「行政文書」とされ管理しなければならなくなった。

 この膨大な作業量が考慮されたのか、「保存期間1年以上」の文書は「行政文書ファイル管理簿」に登録し、データベース化しなければならないが、「政令で定める期間未満の保存期間が設定された行政文書ファイル等については、この限りでない」(公文書管理法第7条)とされた。

 この規定によりメールや添付書類は、ほぼ全て「保存期間1年未満」の文書として、一連番号を付して2穴のパイプファイルなどに閉じ、担当者の書庫ロッカーに収納する方法で管理されてきた。通常なら、毎日そのファイルを開いて、「これは1年たったから廃棄」としなければならないが、担当者にとっては、本来業務以外の作業であることから、そのまま放置されていたのだろう。

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