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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(14)文化・芸術に政治絡める愚 「国歌」作曲者も親日派の事典に

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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】
(14)文化・芸術に政治絡める愚 「国歌」作曲者も親日派の事典に

統一旗を手に合同で入場行進する韓国と北朝鮮の選手団。朝鮮民謡「アリラン」が流された=今年2月、平昌五輪スタジアム(松永渉平撮影) 統一旗を手に合同で入場行進する韓国と北朝鮮の選手団。朝鮮民謡「アリラン」が流された=今年2月、平昌五輪スタジアム(松永渉平撮影)

 声楽家で元聖学院大学教授の遠藤喜美子(90)は『鳳仙花 評伝・洪蘭坡』の著者。母校(国立音大)の先輩でもある洪を、日本の滝廉太郎や山田耕筰に匹敵する「朝鮮近代音楽の父」とたたえている。

 韓国で洪蘭坡の未亡人に会ったとき、住まいは小さなアパートで経済的にも困窮している様子に驚かされたという。著書を手渡すと、「病床にあった奥さんが『日本人のあなたがこんな本を書いてくれるなんて…』と涙を流して喜んでくださった」と話す。

 評伝を韓国で翻訳出版する話は、何度も持ち上がっては立ち消えになった。ようやく実現したのは生誕120年に当たる昨年である。この間、訪韓した際に何度か韓国のテレビ局が取材に来たが、実際に放送されたことは一度もなかったと振り返る。

 遠藤は思う。「反日教育を受けてきた今の韓国の若い人たちは、この偉大な音楽家について、本当のことを知らないのです」

 もちろん韓国にも、この国民的音楽家を擁護する人たちは少なくはない。

 「親日人名事典」には収録されたが、その後、韓国政府が発表した名簿からは、元大統領の朴正煕(パク・チョンヒ)らとともに外されている。言論界にも、洪を親日派と決めつけて、その人生や業績の全てを否定し、歴史から消し去ろうとするのは「極端な論理だ」とやんわり反論する主張も見られる。

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