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【正論】日本の対露姿勢を問う事件だ 北海道大学名誉教授・木村汎

北海道大学名誉教授 木村汎氏(川口良介撮影)
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≪元スパイ襲撃に動機はないのか≫

 ユリアさんが退院後に証言に応じるようになれば、事件の解明は一歩進むだろう。彼女はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の元大佐、セルゲイ・スクリパリ氏の娘。英国在住中の父を訪問中の3月4日に父親ともども意識不明に陥った。メイ英国首相は、2人が旧ソ連が製造し、現ロシアしか持たないはずの神経剤「ノビチョク」に触れたゆえと判断し、ロシア関与の可能性を「極めて高い」と発表した。

 ロシア側は反論した。大統領選やサッカー・ワールドカップ(W杯)主催を前にしたロシアがあえて「火中のクリを拾う」かのような愚を犯すはずはない、と。だが、クレムリンによる主張に対しては再反論が可能だろう。

 というのも、あえて外敵をつくり、それとの果敢な闘いを挑む姿勢を誇示し、ロシアの経済的諸困難から国民の目をそらし己の支持率を高める-。これこそがまさにプーチン大統領が得意とする手法だからだ。また、スポーツの祭典を国威発揚に利用するのも、同様にプーチン氏好みの戦術である。

 ロシア側の反論の中で最も説得力があるのは、アンドラニク・ミグラニャン教授(外交官養成のためのエリート校、モスクワ国際関係大学)による次の指摘だろう。

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