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【別府育郎のスポーツ茶論】プロ野球中継撤退、一つの文化の消失

アスレチックス戦に先発したエンゼルス・大谷=アナハイム(共同)
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 ブラジル・サッカーのラジオ中継を聴いたことがある。それは、ひたすら選手名の連呼だった。パスが回るごとに選手名がアナウンスされ続ける。相手方のタックル、パスカットも、とにかく選手名がひたすらスピーカーから流れる。

 それで聴取者には「ゲームが見える」のだという。サッカー王国のファンは、それぞれの選手のポジションや特徴、特性を把握し、何より、サッカーというゲームを熟知しているのだろう。アナウンサーと、聴取者。相互の共通理解があって初めて成り立つ世界であり、これは文化である。

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 日本には、プロ野球中継がある。プレーに間(ま)があり、決まり事も多い。サッカーよりも、ずっとラジオ向きの競技といえる。

 投手が投げ、打者が打ち、野手が追うと同時に打者走者、走者が駆ける。基本はこの繰り返しであるが、手だれの名調子にフィールドの情景が浮かぶ。

 野球という競技が多くのファンに愛され、理解されているという前提が、アナウンサーと聴取者の関係を支えている。個人的に好きな場面は、右中間三塁打である。球が広い外野を転々とし、右翼手、中堅手がこれを追う。二塁手、遊撃手が中継に入り、投手は三塁手のカバーに走る。6人の野手が直線上に並び、打者走者が二塁を回る。

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