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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(13)歌には「抗日」も「親日」もない  「鳳仙花」歌う加藤登紀子

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 知らされなかったタブー

 韓国でのコンサートにはありがたくない“おまけ”がついた。加藤が日本語の歌を歌って“タブー破り”をしてしまったことだ。

 韓国で戦後初めて公式に日本語の歌(大衆歌謡)が許可されたのは、それから8年後、1998年、沢知恵(ともえ)が歌ったときだ。加藤もタブーのことを知っていたが、このときは「ぜひ日本語で歌ってほしい」というオファーがあった。だが直前になって「許可しない」との通達があったことを主催者が加藤に伝えなかったのである。

 予定のプログラム通りに歌って物議を醸してしまった加藤は、「ダメだと知っていたら歌わなかった。あるいは『鳳仙花』の記者会見のように直接、お客さんに向かって是非を問いかけたでしょうね。それが私のやり方ですから」

 韓国側にも、そうした日本の大衆文化制限を撤廃したいと考えていた人は少なからずいたらしい。帰国した加藤に韓国のテレビ局から出演のオファーがあり、東京でリハーサルまで行った。だが、放送1週間前に当局からストップがかかり、実現しなかった。それ以来、現在に至るまで加藤は韓国で一度もコンサートをやっていない。

 音楽、映画、マンガなど日本の大衆文化は段階的に開放された。だが、現在も地上波でのテレビドラマ、バラエティー番組などは解禁されていない。=敬称略、日曜掲載(文化部編集委員 喜多由浩)

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