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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(13)歌には「抗日」も「親日」もない  「鳳仙花」歌う加藤登紀子

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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】
(13)歌には「抗日」も「親日」もない  「鳳仙花」歌う加藤登紀子

洪蘭坡夫人と=1990年、韓国・ソウル(加藤事務所提供) 洪蘭坡夫人と=1990年、韓国・ソウル(加藤事務所提供)

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 1枚の古い写真が残されている。1990(平成2)年12月、韓国で初のコンサートを行うため、ソウルを訪れた歌手の加藤登紀子が同国の国民的音楽家、洪蘭坡(ホン・ナンパ)の未亡人、李大亨(イ・デヒョン)と一緒に撮ったものだ。

 このとき、韓国で2つの大きな出来事があった。それは“騒ぎ”と言った方が正確かもしれない。

 ひとつは、洪の代表曲『鳳仙花(ほうせんか)』を歌うことを発表したコンサート1カ月前のソウルでの記者会見で、韓国メディアから、「日本人のあなたがこの歌を歌うことを誰もが許さないと思う」と止められたこと。もうひとつは、当時タブーだった「日本語の歌」を行き違いからコンサートで歌ってしまったことだ。

 『鳳仙花』は朝鮮初の芸術歌曲とされる。洪が日本留学時代の大正9年ごろ「哀愁」の題名で作曲、6年後に金亨俊が詞をつけて歌曲集に載り、世に出た。

 昭和17年には、白の民族衣装をまとったソプラノ歌手の金天愛が日比谷公会堂で朗々と歌い上げ、故郷を思う朝鮮の留学生らを感涙させた伝説の名曲だ。韓国では“抗日・独立のシンボル歌”のイメージが強く、記者会見での「日本人のあなたが…」という反発につながったわけである。

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