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【日曜に書く】論説委員・河村直哉 戦後、遠ざけられたもの

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 理想はまず快晴であること。次に下千本が散り始めくらい、上千本が満開であること。運よくそんな日に当たり、朝の若い光を透かした花を見ていると、宣長の敷島の歌が素直な心情を歌ったごく身近なものに感じられる。同時に、戦後という時代のいびつな姿を思う。

 宣長の受容史に限らず、戦後の偏りを示すものは多い。唐突なようだが憲法もそうだろう。戦争への反動から、あつものにこりてなますを吹くがごとき空想的平和主義が受け入れられた。戦後の長い間、改憲論がタブー視され、いまだに根強い抵抗があるのも、宣長が戦後遠ざけられた状況に似ている。

 しかし占領下に連合国軍総司令部が作り、現憲法のもとになった草案を読むと、憲法が国家の独立自尊の構えを持っていないことは明らかである。9条は国家の主権としての戦争を放棄し、交戦権を認めない。権利を否定された国家が独立国といえるだろうか。

 森友学園文書の改竄(かいざん)問題があって、国会で改憲議論はなかなか進まない。

 花の春なのに気は重い。(かわむら なおや)

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