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【日曜に書く】論説委員・河村直哉 戦後、遠ざけられたもの

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 戦後は反動が起こる。宣長に言及した本の、昭和55年の文庫化の際に中村真一郎が寄せた解説は、ある世代の「宣長嫌悪」について指摘した。宣長の復権は慎重に行わなければ「読者のアレルギーを刺戟(しげき)する」「生理的拒絶反応を示す者もある」。それほど遠ざけられていた。

 漢意(からごころ)、すなわち中国に感化されたさかしらな心への宣長の批判はよく知られているだろう。「皇国(みくに)の道を学ぶべき」という古学の入門書『うひ山ぶみ』では、「初学(うひまなび)の輩(ともがら)、まづ此(この)漢意を清く除き去て、やまとたましひを堅固(かた)くすべきこと」とされた。皇国という言葉も、戦後の風潮によって遠ざけられた。

 これは学問の健全な受容とはとてもいえない。宣長は戦争に使われただけである。冒頭に見たように、純真なほど桜が好きだった。漢意批判にしても、日本の古典に即して国の本来の姿を率直に見ることに徹したゆえ、と筆者は思っている。

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