PR

ニュース コラム

【ロンドンの甃】記者のボルシチに睡眠薬が…暗殺者・メルカデルの悪夢再び?

13日、防護服姿で元スパイらが見つかった現場を調べる英当局=英ソールズベリー(AP)
Messenger

 まるでメルカデルの悪夢を想起させる事件だった。メルカデルとは、1940年、メキシコで旧ソ連の指導者スターリンの政敵、トロツキーを暗殺したスペインの共産主義者のことだ。

 英国に機密情報を漏らした元ロシアの二重スパイが英南部で襲撃され重体となった事件は、「ロシアが関与したとするのが合理的だ」(在英西側外交筋)とロシア犯行説が有力だ。2006年の元ロシア情報機関員毒殺事件など「国家として暗殺を支援した歴史」があるため、ロシアが裏切り者への見せしめでメルカデルのようなヒットマンを送り込んだと考えられる。

 旧ソ連は革命直後から「生物培養特務室」を設立し、殺人を自然死に思わせる毒物を開発。研究は、呼吸器系を狙う放射性物質や神経ガスの分野へと進展した。スターリンは政敵、反体制派らへの国家テロをエスカレートさせた。

 私もモスクワ特派員時代の20年前、ホテルでルームサービスのに睡眠薬を混入された経験がある。後日、外務省の知人を通じてロシア情報機関から「警告した」との回答があった。歴史的圧勝でスターリンに次ぐ長期政権となるプーチン大統領が国民の結束を図るため指示したとすれば、ロシアにはスターリニズムが残存しているといえるだろう。(岡部伸)

関連ニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ