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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(11)「赤化・北朝鮮」に残された邦人 家族と引き裂かれ友は殺された

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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】
(11)「赤化・北朝鮮」に残された邦人 家族と引き裂かれ友は殺された

 そして、尚は、ある避難民から家族の最期を聞かされることになる。別れた翌日の8月14日、父は、母と幼い妹に薬を飲ませて見送った後、ソ連兵に撃たれて亡くなっていたという。

 「ギリギリの判断だったと思う。私がもう少し、小さかったら、1人では帰れなかったろう。あまりにもつらい経験なので長い間、誰にも話せなかった」

 両親と妹の遺骨がどこに眠っているのか。尚は、それを知るすべもない。

 子供のおもちゃなのに

 平壌一中(旧制)3年生だった藤澤俊雄(87)は同級生と一緒に突然、平壌の警察署から呼び出しを受けた。遊び道具として、車の廃品からつくった模造品の短刀を所持していた容疑だったという。

 「人民委員会傘下の保安隊だったのか、警察だったのか…短刀で朝鮮人を襲うつもりじゃないか、と疑われたようでした。殴る蹴るなどはなかったが、友人のことをしつこく聞かれた。たまたまそこに中学の校長先生がいて『日本人だろ、毅然(きぜん)としろ』といわれたことを覚えています」

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