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【日曜に書く】論説委員・佐野慎輔 足元ではなく星を見上げよ

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 ことしの「3・11」は、ちょうど平昌にいた。

 釜石の「鵜住居復興スタジアム」建設はどこまで進んでいるのだろう。気になりだすと、居ても立ってもいられない。

 釜石からのメール

 見に行けない言い訳を添え、RWC(ラグビーワールドカップ)2019釜石開催支援連絡会幹事の浜登寿雄さんに様子うかがいのメールをした。

 屋根がつき、土盛りが進むスタンドにかかる横断幕。そして工事現場で働く人たちの姿。3枚の写真が添付された返信に、こう記されてあった。

 「スタジアムには『想(おも)いを一つに〈釜石の復興のシンボル〉を築く!』の横幕が掲げられています。雨の日も雪の日も、極寒の中も猛暑の中も一所懸命に作業されている皆さんに感謝感謝です」

 工事の順調な進捗(しんちょく)に、自分のことのように安堵(あんど)した。同時に、作業員が築いているのは「釜石の復興のシンボル」であり、「市民の輝く笑顔と煌(きら)めく未来」だと説いて、工事現場の前を通るたびに手を合わせていると書いてきた浜登さんらしさに、思わず口元が緩んだ。

 招致段階から開幕準備へ、自分を忘れて東奔西走し続ける男は熱くて優しいのである。

 もちろん、いまだ震災の傷痕がくっきり残り、地元の人々の思いは必ずしもそろっているわけではない。RWCに関心を持てず、いや、復興が後まわしにされていると憤慨する人たちがいないわけではない。

 それでも「煌めく未来」を見上げなければ、涙が垂れて、前に進めなくなってしまう。

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