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【北京春秋】一党独裁、チェックなければ堂々めぐり

3日、人民政治協商会議の開幕式で拍手する習近平国家主席=北京の人民大会堂(共同)
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 山地が面積の8割を占める中国河北省張家口市の崇礼区。中心部では夕方になると渋滞が発生する。2月上旬、スキーシーズン真っ盛り。観光客の自家用車が殺到していると思いきや、飲食店の女性店員は否定した。「立ち退きの補償金で地元住民が車を持てるようになったからよ」

 2022年北京冬季五輪の会場となる崇礼では関連施設の建設地を確保するため、あちこちで古い集落が取り壊されていた。国家プロジェクトとして潤沢な資金が投じられている。

 社会主義国ならではの意思決定と事業実現のスピード感。「今の日本の政治に必要なのは独裁」と当時大阪府知事だった橋下徹氏が発言し、波紋を呼んだのは11年だ。ただ続きのセリフがある。「チェックするのは議会、選挙、メディア。このバランスの中で政治は独裁しないといけない」

 権力集中を進める習近平国家主席は、党内に足を引っ張る勢力がはびこった胡錦濤前指導部を反面教師にしているのだろう。だが鄧小平が敷いた集団指導体制は、個人の独裁と暴走を防ぐために党内で牽制(けんせい)し合うのが要諦だ。習氏が進める権力集中は、唯一の安全弁を機能不全としかねない。

 「至高の存在」である党に外部のチェック機関が存在しない限り、中国政治は堂々めぐりを続けるしかない。(西見由章)

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