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【葛城奈海の直球&曲球】手柄も失敗も肉も皆で分かち合う

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【葛城奈海の直球&曲球】
手柄も失敗も肉も皆で分かち合う

 と、視界の片隅に動くものが…雄鹿だ! てっきり獲物が出てくる前には犬が鳴くとばかり思っていたので油断していた。銃を構え安全装置を外して…とモタモタやっているうちに、鹿は姿を消した。後刻、先輩方から「タツマに立ったら決して気を抜いてはいけない」とご指南を受ける。この日を含め3回出猟したが、私が獲物を見たのはこのときだけ。貴重なチャンスを逃したという自覚は回を重ねるごとに深まった。

 撃ち損じても、解体した肉の分け前にはあずかることができる。目分量ながら分けっぷりの均等さには驚いた。なんでもこれが「山分け」の語源とか。それだけおのおのが等しく責任を負っているということなのだろう。メンバー最若手の平野佑樹さん(29)は「みんなに撃たせてもらっている」と話した。手柄も失敗も肉も皆で分かち合う。獲物の心臓の一部は山の神への感謝の印として小枝に刺してささげる。「クラブハウス」で猪や鹿料理の数々に舌鼓を打ちながら、いつしかそんな村落共同体の原風景を見るような檜原大物クラブそのものにも魅せられていた。

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