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【新聞に喝!】受信料「合憲」はNHKに試練 「豊かで良い番組」はめっきり減った 神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋

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【新聞に喝!】
受信料「合憲」はNHKに試練 「豊かで良い番組」はめっきり減った 神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋

NHK放送センター=東京都渋谷区(納冨康撮影)  NHK放送センター=東京都渋谷区(納冨康撮影) 

 テレビを設置するだけで強制的に受信料を徴収されるのであれば、NHKは現在より高いガバナンスの意識が求められよう。汗をかかずとも莫大(ばくだい)な資金が入れば無駄遣いの意識は希薄となり、受信料の値下げに鈍感になるなどのモラルハザードが生じる恐れもある。それを防止するため、各番組の放映後やネット上に番組制作費を一目で分かるように示し、さらに視聴者がフィードバックできる仕組みも整えて耳を傾けるといった真摯(しんし)な姿勢が求められる。

 最近のNHKは放送法が定める「豊かで良い番組」はめっきり減り、民放とコンテンツがほとんど変わらない娯楽系番組が目立つ。公共放送であるとの原点を忘れて、ひたすら高視聴率を狙っているのだろうか。恵まれた取材体制を持ちながら、圧倒的に質の高いハードニュースが提供されているわけでもない。

 ならば膨大な資金力で世界に対して日本の視点からのニュースを効果的に発信しているかといえば、然(さ)に非(あら)ず。これでは何のための受信料かと考えさせられてしまう。

 NHKが自らの存在意義を問い直し、視聴者の要望に真剣に向き合わなければ、民営化を含む抜本的な改革を求める声は徐々に高まるだろう。そしておのずと有権者の要求に呼応せんとする政治力学が作用する。いや応なく国民から受信料を徴収する以上、民主主義の本質として、NHKが避けて通れない当然の宿命である。

                   

 【プロフィル】簑原俊洋

 みのはら・としひろ 昭和46年米カリフォルニア州出身。カリフォルニア大デイビス校卒。神戸大大学院博士課程修了。政治学博士。専門は日米関係、政治外交史。

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