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【正論】大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

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【正論】
大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

京都大学大学院の中西寛教授 京都大学大学院の中西寛教授

 やがて西側の後押しを受ける改革派が独裁政権を倒したが、新政権が西側に受けのよい人権や地球温暖化問題をアピールしている間に、イスラム原理主義が伸長して政権が分裂、独裁色の強い現政権が誕生して中国の利権を引き込んだ流れがある。中小国の内政問題に目を向けず、大国間競争だけに目を奪われていてはオセロゲームに終わりはないだろう。

 ≪役割分担と協力で外交の補完を≫

 モルディブにとどまらず、アフリカでもジンバブエ、南アフリカ、エチオピアなどで政治的変化が生じている。ここでも、米欧の影響力の後退と中印やイスラム勢力の伸長といった傾向は見てとれるが、現地事情を踏まえない大国間競争だけに目を向けることは危険である。

 グローバル化はもはや国際政治の現実であり、これら地域の不安定は金融や資源の流れ、感染症やテロ活動といったメカニズムを通じて大国の社会にも直接影響を及ぼしうる。

 トランプ政権が打ち出した諸政策はこうした問題について具体的な提案を欠いているし、ティラーソン国務長官が進める「合理化改革」で国務省の体制は弱体化している。

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