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【正論】大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

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【正論】
大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

京都大学大学院の中西寛教授 京都大学大学院の中西寛教授

 インド太平洋地域には大小さまざまな国家が存在し、そこでの政治変化は大国の影響を受けながらも現地の論理で動いているのであり、いずれの大国もこうした動きを完全には掌握できないからである。

 振り返れば、国際仲裁裁判に訴えたフィリピンでのアキノ前政権から、中国との2国間対話を志向するドゥテルテ政権への交代が南シナ海問題に与えた影響を想起することができる。

 そしてトランプ政権の大国志向に伴う負の影響が足元では見え始めている。その一例は最近、注目を集めているインド洋の島嶼(とうしょ)国モルディブの紛争である。

 人口約40万人、総面積300平方キロ弱の約1200の小島からなる小国だが、インド洋の中心という地政学的位置から大国が関与を深め、特に現政権と深い関係を結んだ中国に、懸念を深めたインドなどが反政府派を支持する構図になっている。

 しかしモルディブの政治的混乱は中国が作りだしたものではなく、イスラム教徒が大半を占める漁業国が、独裁的な長期政権の下で「南国の楽園」のイメージを喧伝(けんでん)し、人口以上の年間観光客が訪れる観光大国になった所から端を発している。

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