産経ニュース

【正論】大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

京都大学大学院の中西寛教授 京都大学大学院の中西寛教授

 グローバル化の主導者を標榜(ひょうぼう)したリベラル国際主義を転換し、リアリズムに基づく大国間競争を基本的な世界観とする国際政治への転換はそれ自体、評価できる面を含んでいる。

 とはいえ現代の国際政治の困難さは、リアリズムもリベラリズムもそれ自体では完結せず、不完全な政策指針にしかならない点にある。「神は細部に宿る」という格言を十分に意識しない対外政策は、今日の世界では有効たりえない。

 ≪負の影響が表れたモルディブ≫

 たとえば昨年後半からトランプ政権が強調し始めた「インド太平洋戦略」である。太平洋とインド洋地域をカバーする新たな地域戦略としてであれ、日米豪印を軸として中国の「一帯一路」への対抗を意識した勢力均衡政策としてであれ、この方針はアメリカが目指す大国間関係の「大きな図柄」を示すものではある。

 しかし現実の政策レベルでは、大国間関係に着目した議論だけでは十分な効果は望めない。

続きを読む

「ニュース」のランキング