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【黒沢潤のスポーツ茶論】平昌の白銀の世界を駆け抜ける英雄の姿が見たい

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【黒沢潤のスポーツ茶論】
平昌の白銀の世界を駆け抜ける英雄の姿が見たい

朝日に照らされる韓国北東部・江陵の鏡浦海岸に設置された五輪マーク。江陵ではスケート競技などが行われる =1月29日、韓国・江陵(早坂洋祐撮影) 朝日に照らされる韓国北東部・江陵の鏡浦海岸に設置された五輪マーク。江陵ではスケート競技などが行われる =1月29日、韓国・江陵(早坂洋祐撮影)

 長い髪がトレードマークの彼がスキーと本格的に出合ったのは9歳のころ、国連に職を見つけた母に連れられ米国に滞在したときだ。アフリカの少年は雪の美しさに魅了され、五輪を目指し研鑽(けんさん)を積んだ。

 とはいえ、エチオピアは雪や氷とは縁遠い国。「エチオピアのオリンピック委員会はスキーを冬季五輪種目と認識していなかった」(トリノ五輪関係者)ともいわれたが、たゆまぬ努力を続けて五輪に出場すると99人中83位と奮闘した。

 「エチオピアの歴史に残る走りができて、本当に幸せだ。長年の夢がやっと実現したよ」。絞り出すような声で語ったあの表情は生涯、忘れないだろう。

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 五輪には冬季、夏季を問わず、多くの「物語」がひしめく。2年前のリオデジャネイロ五輪では、「難民選手団」枠でコンゴ(旧ザイール)の女子柔道選手が特別出場し、人々を感動させた。この選手は紛争で家族と引き裂かれ、1人で走っていた際にヘリコプターに救い上げられた。その後、難民センターで柔道と出合い五輪出場の夢をかなえた。また、戦乱のシリアを追われ、ボートでギリシャに十数人と移動中、故障したため姉とエーゲ海に飛び込み、約3時間も泳ぎ通したという不撓(ふとう)不屈の女子水泳選手も選出された。

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