【宮家邦彦のWorld Watch】事実に基づかない誤解が多いイージス・アショアの実態 「受け入れ地を日本人が誇りと思うような丁寧な説明を」
「地元に説明しないまま導入を進めようとする政府の姿勢は言語道断である!」
山口と秋田で配備が検討される地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、某保守系元衆院議員がこう批判したそうだ。
確かに地元の関心は高い。たまたま今年に入り、山口と秋田で何度か講演する機会に恵まれたが、この問題は質疑応答で必ず聞かれるテーマだった。地元の懸念はこうだ。
●そもそも、どんな施設ができるのか、不安である
●子供がいるので、目に見えない強力な電磁波が怖い
●同システム配備で地元が北朝鮮ミサイルの標的になる
●米国の兵器システムだから日本人は操作できない
●同システムは迎撃だけでなく攻撃もできると聞いた
●山口県萩市とは違い、秋田市は人口密集地である
●いずれにせよ、地元への事前の説明がなく遺憾だ
地元の懸念を過小評価するつもりはない。だが、これらの批判の多くは事実に基づかない誤解と思われる。軍事専門家ではない筆者が理解するイージス・アショアの実態とはおおよそ次の通りだ。