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【オリンピズム】冷たい戦いを超えて(15)スポーツでも「原理主義」が優先

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【オリンピズム】
冷たい戦いを超えて(15)スポーツでも「原理主義」が優先

リオデジャネイロ五輪の開会式で入場行進するサウジアラビアの選手団。女性の姿も見られたが、まだ人数は限られている=2016年8月5日(AP) リオデジャネイロ五輪の開会式で入場行進するサウジアラビアの選手団。女性の姿も見られたが、まだ人数は限られている=2016年8月5日(AP)

 ボイコット即決の背景には変わり始めた中東情勢が重なる。サウジアラビアといえば、いまも厳格なイスラム教の国家だが、その右派的な原理主義勢力は、サウジアラビアからアラブ首長国連邦(UAE)をへてパキスタン、さらには隣国のアフガンへと波及したといわれる。

 「アフガンのイスラム同胞たち」というサウジアラビアの言い分には意味があった。当然、ボイコットはパキスタンでも問題になる。

 アフガニスタン情勢を討議するイスラム諸国緊急外相会議の主催国だったパキスタンの大統領顧問はイスラマバード空港にサウジアラビアの外相を出迎え、記者会見で、「イスラム諸国はいずれもモスクワ五輪をボイコットすべきだと考えている」と語り、会議の参加国が一斉にモスクワ五輪をボイコットする可能性をにじませた。

 中東から参加したのはイラク、クウェート、シリア、レバノン、リビアの5カ国だった。モスクワ五輪組織委員会は少しでも多くの国を参加させようと、五輪参加と第三国での反植民地、反人種差別運動とを結びつけて中東諸国のスポーツ指導者に訴えたが、功を奏したとは言い難い。

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