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【日曜に書く】もっと野球を もっとキャッチボールを 論説委員・別府育郎 

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【日曜に書く】
もっと野球を もっとキャッチボールを 論説委員・別府育郎 

 《夕暮れに野原で父とするキャッチボール。そのときの光景を思い出にもつ人は、幸せな人だと小生は思います。少年の頃のキャッチボールほど、鮮烈に五感に残るものはないのではないでしょうか。風と草と土の匂い。ミットに沈むボールの力強さ。父、息子、父、息子。ふたりの男のあいだを往来しているのは、ボールのかたちをした絆なのです》

 同じ映画への個人的な郷愁はシューレス・ジョー・ジャクソンが手にする平たいクリームパンのようなグラブにあった。父が、同型のグラブを手にはめていた。3年前の当コラムに、そう書いたことがある。

 その際は、映画には登場しない原作の登場人物、シズンズ老人の言葉を紹介した。《野球を称(たた)えよ。その言葉は虜囚を解き放つだろう。死者をして立たしめるだろう。きみたちのなかに野球という言葉は生きているか? 世に出て野球を語れ》

 掲載直後、山口さんからメールをもらった。文面には「社会人野球を引退して以来、野球を語る機会が減っているように思いました。もっと野球の良さを深く考え、語っていきたいと思います」とあった。だから、彼の新監督としての抱負が、とりわけ心に響いたのか。

 ◆もっと野球を

 正月になると松原徹を思い出す。長くプロ野球選手会の事務局長を務めて3年前の9月、58歳の若さで亡くなった。

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