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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(2)創氏改名は「強制ではない」 是々非々貫いた朝鮮人検事

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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】
(2)創氏改名は「強制ではない」 是々非々貫いた朝鮮人検事

 本貫と呼ばれる出身地と併せて「姓」を一族の誇りにしてきた名家には、いらぬ“おせっかい”だったかもしれないが、日本人と同等になれる、差別がなくなる…と歓迎した朝鮮人も多い。一方、日本には朝鮮人の犯罪抑止を理由に反対する意見もあったのである。

 重要なのは強制でなかったことであろう。日本風の氏を創設したのは約8割。期間中に届け出なければ、金や朴など従来の「姓」をそのまま「氏」として使うことができた。陸軍中将になった洪思翊や世界的なダンサー崔承喜も、前述の検事、閔も日本風創氏をしていない。もとより「改名」は任意(申請制)である。

 日本に阿ることなく

 大和田の家族は「(大和田は)日本の統治に対して『良い物は良い、悪い物は悪い』という是々非々の態度を毅然(きぜん)と貫いた。そもそも『創氏改名』は強制ではなかったし、同姓同名による混乱を避けるために考慮すべきだという意見だった」と話す。大和田は、保身のために日本に阿(おもね)るような朝鮮人ではなかった。家族の記憶には、民族衣装を着た母親を日本の官憲に侮辱され、敢然と怒鳴り返した姿が鮮明に残っている。

 大和田は、韓国誕生後の1948年11月、大田地方検察庁検事正に就任するも翌年には退職を余儀なくされてしまう。まだ44歳。

 大和田のような優秀な法律家こそ、戦後の新国家建設に生かすべきでなかったか。=敬称略(文化部編集委員 喜多由浩)

●=王へんに穴かんむりに合の一を取る

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