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【日曜に書く】きょうは「人日」…人の道たる「道徳教育」の歴史をたどってみた 論説委員・山上直子

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【日曜に書く】
きょうは「人日」…人の道たる「道徳教育」の歴史をたどってみた 論説委員・山上直子

 ところが明治を迎えると、全国的に小学校が設置され始める。政府は、国として統一したカリキュラムで一斉に子供たちを指導する学校教育を目指さなければならなかった。

 とはいえ、いまだ政治も社会も激動のさなかだ。その教育制度は急ごしらえだった。明治5年制定の学制は「国民皆学」の理念が高らかにうたわれて先駆的ではあったが、庶民の実情とはほど遠く、現実的ではなかったようだ。

 そりゃそうだろう…と思いつつ、ふと真鍮(しんちゅう)製で直径3センチほどのメダルのような展示品に目がとまった。「就学牌(しゅうがくはい)」とある。就学奨励のため、京都府は明治9年、学校に通っている子供に携帯させたそうだ。いわば就学の可視化で、着けていない子供を見ると役人や警官が就学を勧めたという。

 その牌を眺めていると、少し胸が熱くなった。明治初期、国も人も貧しかったときに、日本の総力をあげて「教育」に取り組もうとしていた心意気を感じたからだ。世界に誇る識字率の高さもその後の発展も、先人たちの努力と熱意あってこそだと思う。

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