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【日曜に書く】公教育にもっと民間の知恵を 論説委員・佐野慎輔

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【日曜に書く】
公教育にもっと民間の知恵を 論説委員・佐野慎輔

 そう説く女性は米国在住経験から、長女の小学校入学を機にオルタナティブスクール『こたえのない学校』を立ち上げた。伝統的な教育、公教育とは異なる学校である。「時空を超え、探求心を大切に自分の人生を生きる」教育を掲げた。

 そして、自然と触れ合う体験型スクール『原っぱ大学』を主宰する男性は、「ただ遊ぶ」大事さを強調した。

 この大学では、原っぱや森の中で大人も子供も一緒になってたき火や泥遊びに興じ、オノやチェーンソーを使って小屋を作ったりもする。教えるより一緒に楽しむ。「体験こそ学び」との信念がのぞく。

 ◆野の学び場が必要

 市川さんは若い頃、ニューヨークで日本人子弟対象の学習塾を開いていた。その教え子たちの多くは帰国時になっても日本に戻らず、現地やほかの国の学校に進学していく。

 「ショックでした。何がそうさせるのか、自分なりに悩み、勉強しました」

 日本に戻り、行き着いた先がオルタナティブスクールへの運営参加だった。

 「学びは、公教育以外の方が多い。でも、塾や習い事は学校化している。学びの個別化、その子に合わせたカリキュラムには、『野の学び場』が大事なんです」

 13年間、「野の学び場」で子供たちを自由に遊ばせた。彼はこの日、討論の場に4人の中・高生を伴っていた。3人の男子は教え子で、校長先生だった彼を「おっちゃん」と呼ぶ。先生と生徒ではなく、遊びを教える近所の“訳知りのおっちゃん”の体である。

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