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【宮家邦彦のWorld Watch】サウジで何が起きているのか 筆者の見立ては…

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 従来サウジの外交は「自分たちは勝手にやるから、放っておいてくれ」だった。筆者が外務省入省後アラビア語研修を拝命したとき、サウジは人口600万人、オイルショックによる油価高騰でにわかに金満王国となりつつあった。あれから約40年、人口は2300万人に増えたが原油生産量は横ばいだから1人当たりGDPは4分の1になった。これは大変とようやく打ち出されたのがMbSの「ビジョン2030」なのだ。

 同計画では活気ある社会、盛況な経済、野心的国家という3本柱の下、石油依存型経済から脱却し投資、観光、製造業、物流など経済多角化を目指す。民間中小企業の役割拡大で雇用を創出し、国民生活水準を向上させるという。最近女性の地位向上にも取り組むなど、MbSの改革には野心的内容が多いが、問題はその実現可能性だろう。

 サウジ王制は1955年体制下の自民党と似ている。初代国王と姻戚関係にある諸部族による連立政権だったからだ。従来の兄弟間王位継承は一種の派閥均衡人事だが、これは右肩上がり経済だからこそできた。今後も王制を維持するには伝統的閉鎖社会を変える「改革開放」が必要となる。サウジ王族はこのことにようやく気付いた。その結果がMbSの登場なのだろう。

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