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【正論】北朝鮮の核保有 「反対」は本物?…中国の本音とは 元駐米大使・加藤良三

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【正論】
北朝鮮の核保有 「反対」は本物?…中国の本音とは 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使・加藤良三氏 元駐米大使・加藤良三氏

≪「周回遅れ」の日本の安保論議≫

 責任ある立場の人たちは、それで大丈夫なのだという自らの理解と確信を持って国民に説明する必要があるだろう。

 狂牛病であれ原発であれ、日本国民は「安全」だけでは満足せず、「安心」を求めてやまない。安全は客観的なものであるが、安心は主観的である。それが国家の安全保障問題となると、「安全」はともかく「安心」の充足まで求めるのは至難の業だ。

 「安全」の確保だけでも日本の自助努力は必要最小限の条件である。さらに「安心したい」と願うのであれば、日米同盟を含む安全保障政策の枠組みを信じ、それを強化する以外の途(みち)はないだろう。

 中国はこのような日本の状況を踏まえ、自らの行動が日米の総合的抑止力の動向にいかなる影響を及ぼすか、研究、検討に余念がないと思う。日本にとって、中国の戦略的意図を精緻に分析することは安全保障戦略の要諦である。

 中国は北朝鮮の暴挙が日本を覚醒させ、現政権に有利に働くことを憂えているとしても不思議はない。日本の安保防衛論議については、このまま「周回遅れ」であってほしいという気持ちだろう。一方、国民も「周回遅れ」はとうに気付いているかもしれない。為政者にはそこをうまくやってほしいと願っているのではないか。私は今回の選挙プロセスにおいて、その点に強い関心を抱いている。(元駐米大使・加藤良三 かとうりょうぞう)

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