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【日曜に書く】震災がつないでくれるもの 論説委員・河村直哉

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【日曜に書く】
震災がつないでくれるもの 論説委員・河村直哉

 けれども技術以上に魅力的なのは、心温まるその曲想だった。4人の人柄が音楽ににじみ出ているように感じられた。

◆東日本大震災が契機

 平成23年の東日本大震災が、バンド誕生のきっかけ。大震災を支援するアメリカでのイベントを機に結成された。

 東北に縁があったわけではない。「信じがたい悲劇だった。東北のために音楽で何かしたいと思った」。そう語るタナさん、目を細めると慈父のような表情になる。

 25年からは毎年来日し、被災地で演奏してきた。仮設の住宅で、商店街で。もちろん無料。地元の学生や音楽家との交流も重ねた。

 「アメリカにいて、遠くの安全なところから偉そうなことを言うのはむなしい感じがして、何もできなかった。何をしても偽善に感じられて。でも偽善だろうと何だろうと、やらないよりやったほうがいいと思った」。強くて、かつ歌心豊かなベースラインを刻むオカダさん。

 「東北に来て5年続けているうちに、人とのつながりも深まってきた。それが意味のあるものになっている」。こちらは、魂を込めるようにピアノを奏でるヒラハラさん。

◆風化にあらがって

 今年も被災各地を回った。縁があって昨年から関西のスーパーにも寄るようになった。

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