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【主張】イシグロ氏受賞 日本を見つめ直す契機に

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【主張】
イシグロ氏受賞 日本を見つめ直す契機に

 89年には、50年代の英国を舞台に老執事を主人公にした「日の名残り」で権威あるブッカー賞を受賞した。映画化され、世界的作家の地位を確立するが、他国にルーツを持つ移民作家から英国を代表する作家への飛躍だった。

 その後も「充たされざる者」「わたしたちが孤児だったころ」と話題作を発表し続けた。2005年に刊行した「わたしを離さないで」は臓器移植を扱ったSF的要素の強い作品で、世界でベストセラーになる。日本でも舞台化・テレビドラマ化されており、原作を手に取った人もいるだろう。

 イシグロ氏の作品は「冷静」「精緻」と表現され、繊細な文体と巧みな情景描写にファンが多い。スウェーデン・アカデミーは今回の授賞理由を「世界とつながっているという幻想に潜んだ深淵(しんえん)を描いた」と称賛した。

 氏の受賞は日本の文学界にとっても刺激になろう。日本人作家の奮起と飛躍も期待したい。

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