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【イタリア便り】難民が出産するなら…

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【イタリア便り】
難民が出産するなら…

 現在の世界各国の国籍法は、親の国籍にかかわらず、出生した場所に基づき国籍が与えられる「出生地主義」と、親の国籍を引き継ぐ「血統主義」に大別される。前者の主な国は米国、カナダ、フランスなどで、後者は日本やスイスなどだ。

 さて、イタリアの国籍法では、生まれてから継続して国内で生活していれば、外国人の子供でも18歳になったとき、イタリア国籍を申請できる。

 国会では数年前から、こうした要件とは別に、親が欧州連合(EU)内のいずれかの国で長期または永住の滞在許可を得ていれば国籍取得が可能とする法改正案を検討してきた。長期居住する外国人労働者の子供の国籍取得を容易にする狙いだった。

 しかし、これが国会を通過すると、イタリア国籍を取得する可能性がある移民の子供が約60万人に達するとの推計が出た。すると、改正に賛成だった人々の半数以上が反対に回ったといわれ、政府も法案の推進を当分見合わせてしまった。

 また、北アフリカから押し寄せる難民の中には、イタリアで子供を産めば自動的にイタリア国籍が得られるとの誤解も広がる。内務省の発表によると、今年1~7月中旬の難民認定申請のうち妊婦は数万人に上り、昨年同期比で10%増加したという。(坂本鉄男)

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