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【日本の未来を考える】金利2%に上昇したら不動産価格は半額になる? 学習院大教授・伊藤元重

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【日本の未来を考える】
金利2%に上昇したら不動産価格は半額になる? 学習院大教授・伊藤元重

伊藤元重教授 伊藤元重教授

 さて、金利2%のケースで同様の計算をするとどうなるか。先ほどの半分の6千万円が採算ラインであることが分かるだろう。6千万円を債券に投資すれば、2%の金利で毎年120万円収入が入る。これとアパートの投資が同等の利回りをあげるためには、アパートの価格は6千万円という計算になる。

 数字が続いて申し訳なかったが、言いたいことは明確だ。金利が倍になれば、不動産価格が半分になってもおかしくないということだ。さらに重要なことは、通常では金利が短期間に倍になるということは考えにくいが、元の金利が非常に低いと倍になることは十分にありうるということだ。3%の金利が6%になるのは難しそうだが、1%の金利が2%になることはもっと簡単に起こりそうだ。

 世界的に不動産価格や株価が非常に高い水準であるというのは、世界的に超低金利が続いたということと無縁ではない。その超低金利が修正されるとしたら、不動産や株の価格への影響は非常に大きいだろう。誤解がないようにしたいが、バブルが弾(はじ)けるということではない。もし今の状況がバブルであれば、価格の下落はもっと大きくなるかもしれない。

 欧米と違って、日本ですぐに金利が上がるということではないかもしれない。ただ、超低金利が不動産価格を異常に押し上げていることは気になる。低金利で資金調達ができることが、高い価格の不動産への投資を促進させているからだ。これはプロの投資家も、相続対策で不動産投資する個人でも同じだ。(いとう もとしげ)

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