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【一筆多論】税徴収できず開発妨げ 国を揺るがす不明土地 河合雅司

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【一筆多論】
税徴収できず開発妨げ 国を揺るがす不明土地 河合雅司

 団塊世代は高度成長期に地方から大都市部に出てきた人が多い。相続人となるその子供たちの中には、親の出身地に残された相続対象の土地を一度も訪れたことがないという人もいる。親が土地を所有していたことすら知らないというケースもある。

 放置される時間が長くなるほど相続人や関係者が増えるため、問題の解決をより難しくする。

 所有者不明土地となるのは相続人の間で調整がつかないことも理由だが、ここまで広がったのは人口減少によるところが大きい。

 人口が減れば人が住まない地域が広がり、家や土地に対する人々の価値観を劇的に変える。登記手続きの煩雑さや管理にかかる負担が、資産価値に釣り合わなくなってきているのだ。

 所有者不明土地の弊害は小さくない。固定資産税などの徴収ができないだけでなく、公共事業や民間の再開発事業の妨げになる。農地の集積や森林の適正管理にも支障をきたす。

 そればかりか、ゴミの不法投棄や雑草問題を引き起こせば、周辺の住環境が悪化することにもなる。

 九州を上回る面積になっているのは、国土の発展を揺るがす大問題であろう。「大死亡時代」を迎える前に、国家として対策を講じなければならない。

 そうでなくとも、人口減少に対応するため、これからの日本ではコンパクトな町作りが不可欠となる。

 政府は幅広い公共目的のために利用できるよう法整備を図る方針だが、人口激減時代とは「公共優先」という考え方がより強く求められる時代に違いない。

 われわれは国土について根本から考え直す時期を迎えている。(論説委員)

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