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【新聞に喝!】加計学園報道 マスコミは科学的視点が足りない 京都大学霊長類研究所教授・正高信男

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【新聞に喝!】
加計学園報道 マスコミは科学的視点が足りない 京都大学霊長類研究所教授・正高信男

参院予算委員会に臨む加戸守行前愛媛県知事(左)と前川喜平前文部科学事務次官=7月25日 参院予算委員会に臨む加戸守行前愛媛県知事(左)と前川喜平前文部科学事務次官=7月25日

 研究を生業とする者の一員として、マスコミの科学報道には強い不満を感じている。ほとんどは大学や研究機関の広報が発表する成果の受け売りだ。論文の発表数や引用数、取得した研究費の額など上っ面の数値にこだわるあたりは、文部科学省の役人とほとんど変わらない。

 加計学園による獣医学部新設をめぐる報道でも、そういうスタンスが垣間見える。

 同学部が予定する教員の年齢構成が若手と年配者に二極化して偏り過ぎているとの指摘が、文科省の大学設置・学校法人審議会で出た、との報道があった。こういう報道をするなら、他大学の教員の年齢構成も調べてみるべきではないだろうか。

 教員がバランスよく獣医学をカバーしているかどうかが年齢分布よりはるかに重要だと思うのだが、年齢だけ取り上げるのは、それこそ偏った報道とはいえないだろうか。万事がこの調子で踏み込んだ分析をせず、情報を垂れ流す報道が多すぎる。

 獣医学部が新設された際に学部長に就任する予定の吉川泰弘氏は東大名誉教授で、家畜ウイルス感染・人畜共通ウイルス感染研究という獣医学や実験動物学でホットなテーマの第一人者だ。その知見を生かしたウイルス感染予防体制の確立が社会的にも喫緊の課題であることは、鳥インフルエンザひとつをとっても明らかだ。

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