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【宮家邦彦のWorld Watch】米ですら軍事的選択肢を躊躇する可能性 米中首脳が空虚な言葉を続ける限り、金正恩氏は足元を見続ける 

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【宮家邦彦のWorld Watch】
米ですら軍事的選択肢を躊躇する可能性 米中首脳が空虚な言葉を続ける限り、金正恩氏は足元を見続ける 

20カ国・地域(G20)首脳会議に出席したトランプ氏(左)と習氏=7月8日、独ハンブルク(AP) 20カ国・地域(G20)首脳会議に出席したトランプ氏(左)と習氏=7月8日、独ハンブルク(AP)

 7月28日深夜、北朝鮮が2度目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を強行した。世間は大騒ぎだが、筆者に驚きはなかった。金正恩朝鮮労働党委員長は長期開発計画に従い、粛々と実験を重ねているからだ。むしろ驚いたのは米中首脳の最近の発言の軽さである。

 まずはトランプ氏。彼は感情の起伏が激しい。神経質で繊細で自己顕示欲が強い。北朝鮮と習近平氏に関する過去3カ月の発言をまとめた。

 ●習氏はとてもいい人で、何かしたいようだが、できない可能性もある(4月27日)

 ●北朝鮮は中国や尊敬すべき習近平国家主席の思いに敬意を払わない(同28日)

 ●習氏は友人だが北朝鮮でもう少しやってくれるはず、様子を見たい(7月14日)

 ●中国には大いに失望、しゃべるだけで何もしない。このままでは許さない(同30日)

 おいおい、トランプさん、今頃分かったのかい。想定内の話を「失望」なんて言わないでほしい。確かに中国の役割は重要だが、今中国は役割を果たせる状況にない。理由は2つ。第1は今年が共産党大会の年、対外政策で冒険できない力学が働くこと。第2はそもそもポスト北朝鮮の朝鮮半島について米中に共通の青写真がないことだ。米韓主導の半島統一は中国にとり最大の脅威だからこそ、習氏は今何もできないのである。

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