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【正論】日本経済はマンネリに覆われているが…マンネリを恐れてポピュリスト政権を生み出してはいけない 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 

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【正論】
日本経済はマンネリに覆われているが…マンネリを恐れてポピュリスト政権を生み出してはいけない 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 

吉崎達彦 双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦 双日総合研究所チーフエコノミスト

 ≪「ポピュリスト政権」の回避を≫

 輸出でもインバウンドでも、海外経済は間違いなく日本経済にプラス効果をもたらしている。アベノミクスが始まってから「円安になっても輸出が増えない」と言われて久しいが、輸出数量指数は昨年後半から増勢に向かっている。為替による追い風がなくても、外需が増えれば輸出は伸びるという当然のことが確認されつつある。

 この点で、独ハンブルクでの20カ国・地域(G20)サミットの直前に、日・欧州連合(EU)間の経済連携協定が大枠合意に至ったことは大ヒットであった。欧州側はトランプ米大統領の目前で、日本と合意することを優先したらしく中身的には日本側がずいぶん得をした。ワインとチーズで譲歩して、クルマの関税を撤廃させるのだから、出血大サービスである。また日欧が自由貿易で一致したことは、懸案のTPP11(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉にもプラスに働くだろう。

 さて、7月2日の東京都議選開票以来、安倍内閣の支持率低下が著しい。最大の要因は国民の側の「飽き」であろう。なにしろもう4年半も続いている。長期政権としては避けがたいハードルである。

 景気回復も同様である。「緩やかな回復基調」に飽きてくると、むちゃをやってみたくなることがある。そういう冒険は、滅多(めった)にいい結果を生まないものであるが。

 マンネリズムを恐れるばかりに、「日本版ポピュリスト政権」を登場させるわけにはいかない。日本経済も安倍政権もここが踏ん張りどころである。(双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 よしざき たつひこ)

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