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【正論】長寿社会が変える「生」の意味 新たな「苦難」とのであい 社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋

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【正論】
長寿社会が変える「生」の意味 新たな「苦難」とのであい 社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋

社会学者で関西大学東京センター長の竹内洋氏(栗橋隆悦撮影) 社会学者で関西大学東京センター長の竹内洋氏(栗橋隆悦撮影)

 しかし、実際の平均寿命はもっと延びる可能性が高いのではないか。早期がんを簡単かつ安価で発見できる、線虫による検査の実用化が数年後に可能になるというニュースもあった。iPS細胞の医療応用も着々とすすんでいる。平均寿命予測は、将来の医療技術の予測できないイノベーションを考慮していないから、平均寿命の延長が予測以上になることは大いにありうる。

 平均寿命予測といえば、ある調べものの関係で読んだ大正時代の『日本及日本人』という雑誌に各界名士による「百年後の日本」(大正九年春季増刊号)という特集記事にそれがあったことを思い出す。

 大正9(1920)年から100年後といえば、3年後の2020年になる。そこでは「飛行機600人乗り」や「女子の大臣・大学総長」「地球と火星との交通」「エスペラントが国語」などが予測されている。それらとならんで100年後の「平均年齢」として「125歳」とされていた。それは予測外れではあるが、高齢化社会の到来の予測にはなっている。

 ≪死の消滅さえ考えられる時代に≫

 このアンケートがなされた時代の平均寿命は40歳代前半だから、当時はとても考えられないものとして「125歳」が予測されていた。平均年齢125歳はともかく、平均寿命100歳の時代はそう遠くない未来にあるだろう。

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