産経ニュース

【正論】世界が突き進む「多極化」の時代 もう楽観論は戻らない 京都大学名誉教授・中西輝政

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
世界が突き進む「多極化」の時代 もう楽観論は戻らない 京都大学名誉教授・中西輝政

京都大学名誉教授・中西輝政氏(村本聡撮影) 京都大学名誉教授・中西輝政氏(村本聡撮影)

≪「揺り戻し」が始まったのか≫

 いま世界は、一体どちらへ向かおうとしているのか。昨年からの「揺り戻し」が始まったのか-。

 この6月8日から9日にかけて、イギリスとアメリカから伝わってきたニュースは多くの人々に、このような疑問と戸惑いを与えたのではないか。

 昨年、人々はイギリスの国民投票で「欧州連合(EU)離脱」が決まったニュースや、アメリカ大統領選挙での「トランプ氏勝利」の報に大いに驚き、「世界は混乱状態に陥るのではないか」との強い懸念にとらわれたものだ。

 ところが6月8日のイギリスの総選挙では、EUからの強硬な離脱を推進してきたメイ首相の保守党が、予測を裏切り過半数を割り込むという惨敗を喫した。この1年で、英国民の「EU離脱」への態度に大きな変化が生じたのか。

 最近の(ロンドン)タイムズ紙が報じた世論調査によると、「EUからの離脱は正しいと思うか、間違っていたと思うか」の問いに、44%対45%の結果で「離脱は間違い」の意見が上回った(6月23日付)。イギリスは果たして「EUに戻る道」へと踏み出そうとしているのだろうか。いずれにせよ、一定の「揺り戻し」が始まっていることは確かだ。

続きを読む

「ニュース」のランキング