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【正論】日本に転換促す米国の「孤立化」 中国の覇権主義拡大に油断はできない 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論】
日本に転換促す米国の「孤立化」 中国の覇権主義拡大に油断はできない 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏(瀧誠四郎撮影) 杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏(瀧誠四郎撮影)

 米国のリベラル系マスメディアによるトランプ大統領批判は、かなり割引して読まなければならないと自戒してきたが、それにしてもこの新指導者の言動は国際秩序の枠を揺さぶり続けている。

 同じ価値観を持ち豊かな民主主義社会をつくり上げてきた先進国首脳会議(G7)や、西側最大の安全保障機構の北大西洋条約機構(NATO)などでも米国の孤立化ははっきりしてしまった。

 対照的に中国が進めるシルクロード経済構想「一帯一路」や、それを資金面で支えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)は活性を帯びつつある。日本が最も頼りにする米政権は一体どの方向に進もうとしているのだろうか。

≪中身が異なるトランプ氏の国益≫

 トランプ大統領はさる5月にサウジアラビアを皮切りに中東諸国を訪れ、過激主義との対決を「善」と「悪」との対立と位置づけた。大統領選から唱え続けてきたテーマであり、欧州に国際テロが頻発している事態を背景に大きな意義があった。

 が、NATO首脳会議では加盟国の中に国防費を国内総生産(GDP)の2%に引き上げない国があると批判した。過去8年間に加盟国の国防費増額の半分以上を米国が支出してきたのであるから、米側の不満は当然で、欧州一の経済大国ドイツの1・2%という数字がトランプ大統領の癇(かん)に障っていることは間違いない。

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