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【宮家邦彦のWorld Watch】米の「ディープ・ステート(闇の国家)」など繰り返し報道で、洗脳されそうになる恐ろしさ

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【宮家邦彦のWorld Watch】
米の「ディープ・ステート(闇の国家)」など繰り返し報道で、洗脳されそうになる恐ろしさ

演説するトランプ大統領。米政界の混迷は深まるばかり=16日、米フロリダ州マイアミ(AP) 演説するトランプ大統領。米政界の混迷は深まるばかり=16日、米フロリダ州マイアミ(AP)

 FOXテレビの有名なニュース・ホストによれば、「先月トランプ大統領に解任された前FBI長官も、司法省の副長官や特別検察官も、全ては『ディープ・ステート』の一員であり、選挙で選ばれたトランプ氏に対するクーデターをたくらんでいる」のだそうだ。

 面白いと筆者も書き始めたが、さすが産経新聞、ワシントン特派員が既に「ポトマック通信」で紹介していたことが判明した。彼の言う通り、一見信じ難い「陰謀論」なのだが、FOXのようなメディアが終日繰り返し報じれば、FOXしか見ない普通の視聴者はそれを信じるだろう。筆者ですら、保守系議員や知事などの、そうした発言に「なるほどね、そうだったのか」と洗脳されそうになるから結構恐ろしい。

 こう考えると、荒唐無稽と思えるトランプ氏の戦術も、意外に効果的なのだ。民主制度がポピュリズムや偽情報による洗脳に対していかに脆弱(ぜいじゃく)か、今回よく分かった。日本も例外ではない。

                  

【プロフィル】宮家邦彦

 みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。

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