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【国語逍遥(85)】憲法前文の「に」は間違いなのか 助詞も中身も時代にそぐわず 清湖口敏

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【国語逍遥(85)】
憲法前文の「に」は間違いなのか 助詞も中身も時代にそぐわず 清湖口敏

日本国憲法の原本(一部)。「上諭」「副署」に続いて「前文」が記されている=国立公文書館所蔵 日本国憲法の原本(一部)。「上諭」「副署」に続いて「前文」が記されている=国立公文書館所蔵

 されば「憲法施行70周年」はどうか。これを「めでたい」と受け止める向きには「70周年」で一向に構わないが、5月3日付の本紙1面には「憲法70歳。何がめでたい」の大活字の見出しがあった。これを見ても分かるように、憲法がかくも長い年月を一字一句たりとも改められることなく守られてきたというのは、慶事どころか凶事というほかないのである。

 この70年の間に科学技術は言うに及ばず国内外の情勢など、ありとあらゆるものが様変わりとなり、現憲法ではもはや対処できない事態に至っている。もし「周年=慶事」の見解に同じるのであれば、「憲法施行70周年」などとはゆめゆめ口にしてはならない。

 そんな憲法だから改正への要求が高まるのも当然で、中には前文の「諸国民の公正と信義に信頼して」のくだりを捉え、「信義に」の「に」は間違いだ、「を」に書き換えよと訴える声まである。元都知事の石原慎太郎さんも3日付本紙に「前文には明らかに慣用の日本語としては間違いの助詞が数多くある」「誰かに高額の金を貸す時に君に信頼して貸そうとは言わず君を信頼してのはずだろう」と書いている。

 はたして、くだんの助詞「に」は間違いなのか。

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