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【国語逍遥(85)】憲法前文の「に」は間違いなのか 助詞も中身も時代にそぐわず 清湖口敏

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【国語逍遥(85)】
憲法前文の「に」は間違いなのか 助詞も中身も時代にそぐわず 清湖口敏

日本国憲法の原本(一部)。「上諭」「副署」に続いて「前文」が記されている=国立公文書館所蔵 日本国憲法の原本(一部)。「上諭」「副署」に続いて「前文」が記されている=国立公文書館所蔵

 日本国憲法は今月3日、「施行70周年」を迎えた。

 70周年とは大した数字だとあらためて思う。学校の創立にしろ会社の創業にしろ、70周年ともなれば各方面から祝辞がどっと寄せられるところであろう。

 この「周年」という言葉について、放送各局の用語担当者らで構成される新聞用語懇談会放送分科会は「『~周年』は創業10周年のような記念すべき場合に使い、事故や災害のような悪い出来事の場合には原則として使わない」と決めている。周年はあくまで慶事専用の語だというのだ。

 しかし平成12年1月17日、阪神大震災の犠牲者追悼式に出席した皇太子殿下は「本日、阪神・淡路大震災から5周年を迎えるに当たり…」とお言葉を述べられた。高浜虚子の句「子の忌日妻の忌日も戈(ほこ)の秋」には「大連の吉田弧岳、亡妻三周年の忌日も内地に帰れず…」の添え書きがある。

 これらのことから周年は必ずしも慶事専用とはいえまいが、近頃の世間一般の語感が慶事に傾いているとするなら、それは時代の趨勢(すうせい)として全く無視するわけにはいかないだろう。

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