産経ニュース

【正論】勢力拡大を警戒される「一帯一路」、日本の姿勢=ソフトパワーに学べ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
勢力拡大を警戒される「一帯一路」、日本の姿勢=ソフトパワーに学べ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏(野村成次撮影) 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏(野村成次撮影)

 ちなみに60年代にアジア開発銀行(ADB)が設立されたときも、日本の「低姿勢ぶり」は遺憾なく発揮されている。決定の経緯は多分に偶然であったが、本部を東京ではなくマニラに置いたことはその表れであろう。

 敗戦国という「原罪」を抱えていたためでもあるが、今にして思えばこうした低姿勢は日本外交の良い面といえるだろう。人はおのれが良いと思っていることをするときこそ、態度には気をつけなければならないものである。

 もちろん、「日本は中国を援助する必要などなかった。おかげで日本経済が追い上げられた」といった批判もあるだろう。米トランプ政権のスティーブ・バノン首席戦略官あたりなら、そう言うかもしれない。ただし、それはいささか了見が狭過ぎるのではないか。

 現在、対中ODAは技術協力と「草の根・人間の安全保障」と呼ばれる無償資金協力だけが細々と続いている。新規の有償資金協力が終わってから、今年で10年目となる。対中援助を総括する良いタイミングではないだろうか。(双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 よしざきたつひこ)

「ニュース」のランキング