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【正論】勢力拡大を警戒される「一帯一路」、日本の姿勢=ソフトパワーに学べ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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【正論】
勢力拡大を警戒される「一帯一路」、日本の姿勢=ソフトパワーに学べ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏(野村成次撮影) 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏(野村成次撮影)

 日中対話で日本が中国側から褒められる、というのも不慣れな事態だが、問題意識はよく分かる。今の中国は「一帯一路」というスローガンの下、ユーラシア大陸の全域に大規模なインフラ投資計画を推進しようとしている。

 ところが周辺国はかならずしも歓迎していない。むしろ中国の援助は、自国の勢力圏を広げることや国内の過剰生産能力を解消することが目的であって、かならずしも自分たちのためにはならないと警戒する向きがある。

≪思惑違いのオンパレードに≫

 対外援助とは難しいもので、良かれと思ってやったことが、むしろ反発を招くこともある。個人間でも、金品の贈与はしばしばトラブルのもととなる。それが国家同士となればなおさらであろう。

 思うに海外援助を行った結果、その国の発展に役立ち、自国の企業が利益を得て、貸した資金はきちんと回収され、さらに相手国からは感謝される-そんな虫のいいことは滅多(めった)にないものだ。援助のお金は権力者の懐や闇の世界に消え、借款の返済は焦げ付き、独裁政権を延命させたとして相手国の国民からも嫌われる-ということもあるのが現実の世の中である。「一帯一路」計画も、下手をするとその手の思惑違いのオンパレードとなりかねない。

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