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【正論】
自衛隊を「9条の例外」と記述 朝日「憲法社説」の誤りを正す 駒沢大学名誉教授・西修
今月9日付の朝日新聞「社説」に紹介された憲法第9条に関する政府解釈の理解は、完全に誤っている。一見して誤りであることに気づくので、何かフォローがあるかと思っていたが、これまでのところ、何もないようなので、ここで取り上げることとしたい。
同社説は次のように記述する。
「自衛隊は歴代内閣の憲法解釈で一貫して合憲とされてきた。
9条は1項で戦争放棄をうたい、2項で戦力不保持を定めている。あらゆる武力行使を禁じる文言に見えるが、外部の武力攻撃から国民の生命や自由を守ることは政府の最優先の責務である。そのための必要最小限度の武力行使と実力組織の保有は、9条の例外として許容される--。そう解されてきた」
問題は、自衛隊の存在を政府が「9条の例外」として許容してきたのかという点である。
この点について、昨年9月に内閣法制局が情報公開した『憲法関係答弁例集(第9条・憲法解釈関係)』で確認してみよう。同答弁例集の最初の項目には「憲法第9条と自衛権(自衛隊の合憲性)」との表題のもとに、以下のように記されている。