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【日曜に書く】「てづか」な街の鉄腕アトム 論説委員・鹿間孝一 

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【日曜に書く】
「てづか」な街の鉄腕アトム 論説委員・鹿間孝一 

 手塚さんは当初、核開発競争に心を痛め、原子力を平和利用する架空の国を舞台にして、題名を「アトム大陸」とつけた。アトムは原子の意味である。

 ところが、物語の主人公を絞ってほしいと注文がつき、少年ロボットを生み出した。

 科学者の天馬博士が交通事故で息子を失い、寂しさからわが子にそっくりのロボットを製作する。だが、ロボットは人間のようには成長しない。失望した天馬博士はサーカス団に売り飛ばしてしまう。

 やがて法律が制定され、ロボットも人間と同等に暮らす権利が認められると、アトムはお茶の水博士に引き取られ、家族もできて学校に通うようになる。

 ◆心やさし科学の子

 子供のころに読んで、10万馬力のパワーや、空を飛ぶジェットエンジン、サーチライトになる目などにワクワクしたが、アトムが感情を持つロボットであることが重要だ。

 「ロボットだが、アトムには血の通った人間の性格を持たせたいですね。読者が、自分たちと同じ仲間だと思うような親近感をね。泣いたり笑ったり、正義のために怒ったりするようなロボットにするんです」

 編集長の提案に、手塚さんは「なるほど…」とうなずいたという。

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