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【正論】日本に覚悟を迫る秩序の分岐点 JR東海名誉会長・葛西敬之

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【正論】
日本に覚悟を迫る秩序の分岐点 JR東海名誉会長・葛西敬之

葛西敬之氏 葛西敬之氏

 世界は今、21世紀の安定的な秩序への分岐点に立っている。

 1990年代以降、ソ連崩壊の解放感のなかで、西側自由主義国の間では「歴史は終わった」「国境はいずれ消滅する」「これからは軍事力は要らない」という神話が一世を風靡(ふうび)した。しかし20年あまりを経た2016年、英国民は欧州連合(EU)離脱を支持し、米国民はトランプ大統領のアメリカ・ファーストを選択した。それは、21世紀も国際社会の構成単位は依然として国民国家であり、平和と安定を維持するのは核抑止力による勢力均衡である、という認識に根ざしているように思う。

 ≪米中関係に移行した国際政治≫

 一方、一党独裁の国家資本主義中国はグローバリズムに「便乗」して外国資本と先進技術を取り込み、経済的急成長と軍事大国化を果たした。そしていまなお核兵器・ミサイルの増強を続けるとともに海洋に進出し、宇宙・サイバー分野でも攻撃力を高めている。

 20世紀の「米ソ冷戦」あるいは「冷たい平和」は1947年からソ連崩壊の91年まで半世紀に及んだ。当初はソ連が勢力拡大を仕掛け、それを米国が阻止するという攻守関係であったが、60年代のキューバ危機を転機に、核戦力における米国の優位をソ連が認めざるを得なくなり、その上で偶発的衝突を避けるための仕組みが整えられることになった。

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