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【産経抄】アメリカで花開く寿司文化 4月26日

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【産経抄】
アメリカで花開く寿司文化 4月26日

 「米国で和食を広めよう」。こんな夢を抱いて、1964年に一家4人でロサンゼルスに移住した。41歳の金井紀年(のりとし)さんは、日本の食品を扱う小さな商社の社長に就任する。当時ささやかながら、日本食ブームがすでに始まっていた。

 ▼坂本九の歌う『上を向いて歩こう』が、『スキヤキ』と名前を変えて大ヒットしていた。テリヤキ、テンプラも知られるようになった。ところがすしといえば、太巻きやいなりずしが主流である。金井さんは、ライバルの少ない「にぎりずし」に目を付けた。

 ▼マグロやエビ、ウニなどできるだけ現地で調達した。入手できないネタは、日本で冷凍して取り寄せた。すし職人も招いて、開店の相談に乗った。厨房(ちゅうぼう)器具などの面倒をみて、資金援助も行った。彼らの工夫で生まれたカリフォルニア巻きは、後に日本に逆上陸して人気を呼ぶ。すし文化は、米国で見事に花開いている。

 ▼金井さんは、東京商大在学中に学徒出陣で出征した。ビルマの戦地では、食糧や衣類の補給と管理を任されていた。こうした後方支援の任務が、米国ですし店を支えるビジネスに大いに役立った。

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